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2017年12月23日土曜日

2017シーズンGMより

2017年シーズンのGMを務めました吉田圭吾です。

広報ユニットよりGMからの最後の挨拶としてこのような機会を頂くことができました。

本来であれば今シーズンの総括をする場なのだとは思いますが、色々とあったシーズンでもあり、前向きな姿勢を貫きたいという思いもありますので、過去ではなく未来にベクトルを向けるという意味も込めて、ア式蹴球部の今後を担う後輩に向けて主に文章を書かせていただければと思います。

また、GMという役職からは離れて、一人のア式部員としての等身大の経験と思いを綴ることで、一人でも多くの後輩の背中を押すことができればと思います。

そして最後に、感謝の気持ちを伝えさせていただければと思います。

少々長いですが、最後まで読んでいただけると嬉しいです。

それでは始めさせてもらいます。

 

 

「人生を変える」

僕のア式における初心であり、GMになることを決心した原点です。

自分の掲げた目標を一度たりとも達成したことがない人生でした。

大学入学まであらゆる物事においてあと一歩のところで成功を掴み損ねてきました。

努力が報われないことにも、負けることにも、認めたくはなかったですが、慣れてしまった情けない自分がいました。

自分には何かが決定的に欠けているのだとそう信じ込み、強烈な劣等感を抱えていました。

一方で、成功を諦めきれない自分がいるのも確かで、失敗するたびに不安にも駆られました。

失敗を影だとするならば、いくらもがいたって影は深まるばかりで、輝く瞬間なんてないまま終わってしまうのではないかと考えたからです。

けれど、そんなことを恐れていても何も始まらないことは分かっていました。成功を掴みたいのならば、踏み出すしか道はないからです。

だから、いつか成功すれば、今までの努力も報われるはずだと自分に言い聞かせ、また次の目標に向かって、努力が足りなかったとさらなる努力を積み重ねる、そんなことを繰り返してきました。

そんな僕にとってア式は最後のチャンスでした。

今度こそ成功を掴みとり、人生を変えたいと強く願いました。

そして、入部して間もなくGMになることを決意しました。

自分を大きく変えるには一歩踏み出すしかないと思ったからです。

 

 

「自分を信じる」

後輩は僕のことをよく知らないと思いますが、おそらく皆がイメージするような人間、選手ではなかったはずです。

僕は人前が極度に苦手でした。入部宣言の自己紹介ですら足が震えるような人間です。円陣や一発芸なんてもってのほかでした。

また、どうしようもなく足の遅く、フィジカルの弱い選手でした。シュートも下手でよくふかしていたのを覚えています。

それでも自分を信じました。いや、信じるしかありませんでした。

とにかく成功したかったし、変わりたかったからです。

「自分は結果を残せる」「自分は変われる」と何度も自分を奮い立たせ、努力へと駆り立ててきました。

それでも根本は変わることができなかったのだと思います。相変わらず円陣では緊張しますし、足は遅く、フィジカルも弱いままです。

けれど、自信のある振りならできるようになりました。足元の技術を生かせる程度のスピードなら身につけることができました。

そして、何とか1年間GMを務め上げ、4年間で想像以上の結果を残すことができました。

何より、その過程でついに成功を掴み、人生を変えることもできました。

 

もっと自分を信じていい。

正樹は大事な場面ですべて決める選手になるし、ゴリは不動のレギュラーになる。

やまけんはチームを関東昇格に導くし、田尻はリーグ戦で活躍する。

覚悟さえあれば、全部不可能ではないはずです。

 

この4年間で多くの大それた目標を掲げました。

もちろん叶わなかったものの方が多いです。

最後まで立教や東経に勝つことはできませんでしたし、関東昇格も果たせませんでした。

けれど、1部昇格を決めるゴールを奪うことはできました。

自分を信じることができていなければ、何一つ叶えるどころか、努力へ向かうことすらもできていなかったと思います。

 

もっと自分の可能性を信じてください。

もっと大きな夢を見てください。

時には思いっきりポジティブになって、どデカイ希望を語ってください。

すべてはそこから始まると思います。

そして、何よりも自分のために、勇気を出して一歩踏み出して欲しいと強く思います。

 

 

「関東昇格」

ア式は僕の在籍した4年間でも強くなりました。

1部は夢の舞台ではなくなり、関東昇格は少しばかりイメージできるものとなりました。

4年前には想像もできなかったことです。2部の試合で精一杯だった当時の僕には1部の相手の背中なんてほとんど見えていませんでしたから。

そんな僕にとって、1部の選手と対等にやり合う高山や右田のような下級生の存在は驚きでしかありませんでした。同じピッチの上に立ちながらも、時代の変わり目に立ち会っているのだと強く感じたのを今でも覚えています。

後輩の皆に今見えている景色は当時の僕の見ていたものとは全く異なるものなのでしょう。

それはア式が一つ上のステージに上がったことを示しているのだと思います。

そのままでい続けてください。

 

来年の目標は1部「復帰」であってほしい。

そして、再来年の目標は関東昇格であってほしい。

 

僕にとって明治学院戦がベストゲームでした。

2年前の東大戦でも、去年の1部昇格を決めた武蔵戦でもありません。

僕の心が最も震えたのはあの試合でした。

相手に引かれる、笑われるくらいの気迫、根性、泥臭さ。ア式らしさを体現することのできた試合だったと思います。そして、その中心にいたのは玉水、城所、君たち後輩でした。1部の選手を球際で圧倒する君たちの姿は頼もしくて仕方ありませんでした。

来年のア式はもっと強い。再来年のア式はさらに強い。確信しています。

そして、いつの日か、関東昇格を決める舞台で、後輩たちのこうした戦いを見ることができならば、どれだけ心揺さぶられるでしょうか。

今から楽しみで仕方ありません。

 

 

「感謝」

同期へ。

どうしようもなく不器用な代でした。

当初は数きれないほど衝突もしたし、まとまりなんて微塵もありませんでした。

先輩にも沢山の迷惑をかけたし、あまり大層なことは言えないですが、一人一人のこの部を強くしたいという気持ちが強かったからこそだと思っています。

その目標のためなら一切妥協しないこの代の皆と共に歩むことのできた4年間は僕の誇りです。

後輩たちはしっかりと意志を受け継いでくれています。

それは本当に幸せなことで、実はそれだけで十分なのかもしれません。

愛想を尽かさずに支え続けてくれたこと。

共に最後まで戦ってくれたこと。

とにかく感謝しかありません。

本当にありがとう。

 

 

後輩へ。

1年間共に戦ってくれてありがとう。

皆の優しさと素直さに救われることの多い1年でした。

色々なものを背負わせることになってしまったこと、特に3年生には申し訳ないですが、あとは託しました。

大事な場面、辛い時、難しい状況でこそ、サッカーを楽しむ気持ちを忘れずに取り組んでいってほしいと思います。

皆が歓喜を迎えるその時は、僕も同じピッチの上でそっと喜ぼうと思います。

一人一人の成功と幸せを心から祈っています。

 

 

ア式蹴球部を支えて下さる全ての皆様へ。

4年間本当にお世話になりました。

僕のサッカー人生はア式蹴球部との出会いで全て報われました。

本当に感謝してもしきれません。

沢山の素晴らしい瞬間をありがとうございました。

来年は2部からの再スタートとなります。

後輩たちは例年以上に難しいシーズンを送ることとなると思います。

引き続き温かいご支援とご声援をよろしくお願い申し上げます。

僕自身もこれからは一人のOBとして夢の続きを見守りつつ、後輩たちを支えることで恩返ししていければと思います。

4年間本当にありがとうございました。

 

2017年シーズンGM  吉田圭吾

2017年11月1日水曜日

「最後に待つのは」

人生は理不尽で残酷だ。

努力は必ず報われるわけではない。

生まれ持った環境や容姿、身体能力は選べない。

不幸は突然身に降りかかる。

あらゆる理不尽を前にして、人はあまりにも無力だ。

けれど、どう生きるか、自身に選択の余地がある限り、それは自由だ。

理不尽を前にして、どのように立ち振舞うかは、自分次第だ。

そう考えると、結局人生というのは、自分はどう生きたいのか、ただそれだけのことでしかない。

そして、この問いに真剣に向き合い、もがき進んだはるか遠くその先で、これまでの道程を振り返った時に、納得がいくのだと思う。

理不尽だからこそ、他人には歩めない、自分だけの道があったのだと。

そして、全てここに繋がっていたのだと。

そう強く信じている。

 

人生最大の挫折を経験した。

最後まであがき続けたが、力及ばなかった。

悔しくて、苦しくて、申し訳なくて、やりきれなかった。

ひどい虚無感に襲われた。

夜は眠れなくなったし、目と顎は頻繁に痙攣を起こすようになった。

全部投げ出して、どこか遠くに消えてしまいたいと、馬鹿な考えがよぎる瞬間もあった。

生きている実感も湧かないような、そんな空虚な日々の果てに、一つの決断を迫られた。

現役引退か続行か。

 

一度は引退を決意した。

サッカーに取り組む理由も、情熱も失ってしまっていたから。

100%でやれない人間にもうできることは何もないと思った。

けれど、後輩、同期の言葉に段々と気付かされた。

まだやれること、やらなければならないことが残されている中で、自分は楽な方に流されているだけなのではないかと。

最後までやりきったつもりでいながら、自分は理不尽に打ち負かされているだけなのではないかと。

そして、この問いに行き着いた。

「自分はどう生きたいのか」

 

私はア式蹴球部のGMとして、この挫折を先頭に立って乗り越えたい。

代として最後まで戦い抜きたい。

共に戦い続けてくれた仲間と、歓喜の瞬間を共にしたい。

関東のチームと戦う機会を後輩に残し、次に繋げたい。

 

私は一人のサッカー選手として、最後まで成長し続けたい。

ひたむきに、真摯に取り組み続けたい。

高さも速さも強さもないような凡庸な選手でも活躍できると示したい。

 

そして何よりも、私は一人の人間として、最後には必ず立ち上がる人間でありたい。

どんなに弱くて、情けなくて、落ち込んでも、最後は笑って、前を向ける人間でありたい。

 

これが私の答えだった。

仲間の顔を見て、自分のこれまでの人生と向き合って、気づくことのできた純粋な気持ちだった。

そして悩み抜いた末に、同期を巻き込んで、代として現役を続行することを決めた。

 

再開してからの日々はあっという間だった。

関東昇格という夢の続きを後輩に託すための戦いだった。

同期の皆は苦悩することもあったに違いない。

私もそうであったから。自分の心の内に決定的な欠落を認めざるを得なかった。

それでも精一杯取り組んでくれた。本当に感謝してもしきれない。

その姿勢は、必ず後輩の心に何かを刻むことができているはずだ。

 

ただ、それでも、あの決断が正しかったかは分からない。

後輩の代にかぶってまで残るべきだったのか。

同期を巻き込んで良かったのか。

チームを最優先に考えられていたか。

人の人生を変える権利はあったのか。

決断の時に自信があったとは正直言えない。

それでも、その決断の全ての責任を負うと見得を切った。

それは私にしか背負えない、私が背負うべき責任だと思ったから。

東京都トーナメントで勝ち上がり、関東予選への切符をつかむこと。

それは、そんな見得を切った私の最低限の使命であり、せめてもの償いであると思っている。

そして、その先に見る皆の表情が答えになると思う。

 

「全員が幸せなシーズンに」

今シーズンに臨む上で立てた、私の誓いである。

将来、誰もがこの一年を振り返った時に幸せだったと思えるような、そんなチーム作りをすることが目標だった。

残念ながら、現状は理想からは程遠い。

もとより、今シーズンにハッピーエンドなど用意されていなかったのかもしれないし、残るのは虚しさだけなのかもしれない。

だが、私はまだ諦めていない。

必ず実現してみせる。

私の愛するア式蹴球部の仲間誰ひとりにも、この一年を悲しい思いで終わらせて欲しくない。

お世話になった先輩、苦しみながらも残ってくれた同期、背中を押してくれた後輩、皆には笑っていて欲しい。

つじつま合わせだってなんだっていい。

その意地を、想いを、ピッチの上で表現したいと思う。

それが私にできる皆への精一杯の恩返しであると思うから。

そして、どうか今シーズンを終えた時に、皆の抱く想いが少しでも明るいものでありますように。

これが今の私のありったけの想いです。

 

最近の出来事

・2年生は同期。

・セブ島楽しみ。

・LINEのひとこと一生いじらない。

・ブログは最後まで自分のために。

#10 吉田圭吾

2017年6月10日土曜日

続き

円陣で常に話す機会をもらっているので特に書くこともないのですが、それではまずいので昨日の練習後の円陣の話に続けるような形で書きます。
どんなサッカー選手が伸びると皆は思いますか?
16年間ほどサッカーをやってきて、僕は2つの大切な要素があると考えています。
それは「周囲からの期待」と「根拠のない自信」です。
伸びる選手は、「周囲からの期待」を得られる人間です。
謙虚で素直な人間性と、その人一倍の努力から周りに応援したいと思わせるような力を持っています。また、その期待に応えようとより多くの努力を積み重ねるという良い循環に入っているように思います。
伸びる選手は、「根拠のない自信」を持っています。
自らの現状に自信の拠り所を求めても、上を見据えて努力する人間には、自分に足りないものばかりが目につくはずです。それでも、「自分ならば必ず実現できる」という強いメンタリティを持つ人間は、良いイメージを持ち続け、積極的にチャレンジを繰り返すことができます。その分、多くの失敗を経験することで成長速度も速くなっているように思います。
他にも成長するためには多くの大切な要素があると思いますが、僕はこの2つが特に大切だと思っています。このブログを参考に皆が自身の取り組みや考え方について見直す機会にしてくれれば嬉しいです。

最近の出来事
栗木さん曰く、「ブスになったのはかなえちゃんだけ」だそうです。
こうに新歓pvの圭吾さんブスすぎって言われました。
ブス飯開きましょう。


#10 吉田圭吾

2017年4月5日水曜日

大東戦雑感

大東戦を通じて、一橋の強みは「泥臭さ」と「温かさ」であると確信しました。
ハードワークを強みとする大東に負けないくらい足は動いていたし、声も出ていたと思います。先輩たちは引退したにもかかわらず、大声で声援を送り続けてくれました。もつは孤軍奮闘声が枯れるまで応援してくれました。本当にありがとう。
この2つは東京都リーグ一だと胸を張って言えます。
ただ、関東昇格を達成するためにはそれだけでは足りません。
「泥臭さ」と「温かさ」に逃げずに、どれだけサッカーを突き詰めることができるか。
これがテーマだと思っています。
リーグ開幕まで残り3週間。まだまだ突き詰められます。全員でこだわっていきましょう。

最近の出来事
新入生が皆良い子そうで一安心。

自分たちの代は一体何だったのか。


#10 吉田圭吾

2017年1月24日火曜日

最後の挑戦

2017シーズンがついに始まりました。僕にとって最後のシーズンということもあり、色々な想いがありますが、GMらしくア式が掲げる理念について少し触れてから、最後に個人的な決意表明をしたいと思います。
ア式の理念は、この部に関わる全ての人々に「勝利と感動」を与えていくことです。支えてくださる全ての皆様に勝利という結果に喜んでいただき、一丸となって戦う姿に感動していただく、それが我々にできる最大の恩返しだと考えています。そのために、3つの理想を追求し、全ての試合において「グッドゲーム」を体現する、そして「関東昇格」を果たすことが僕たちの使命です。
そんな使命を与えられた組織のGMとして、僕は二つの姿勢を一年間大切にしていきたいと思います。
一つは理想を誰よりも追求する姿勢、もう一つは部員一人一人と真摯に向き合う姿勢です。
特に後者の姿勢を大切にしたいと思います。
僕を支えてくれる部員は皆、責任感があって、真面目で、ひたむきで、優秀です。本当に尊敬しているし、信頼しています。僕はそのような部員たちの人生を大げさではなく預かっています。このことを一年間いついかなるときも忘れずに、一人一人と真摯に向き合うことで誠意を示したいと思います。そして、全員が信頼関係を築き、存在意義を見つけ、成長していけるよう少しでも力になりたいと思います。
最後に、GMとしてではなく、僕個人としての決意表明をして終わりたいと思います。
今年は僕にとってサッカー人生最後の年になります。サッカーがなければどうしようもない人間だと自他共に認める分、最後の一年にかける想いは強いです。それでも、サッカーをしている間は難しいことは考えずに、純粋な気持ちで楽しみたいと思います。それが僕らしさであると思うので。そして、来たる一部の舞台を最高に楽しむために、今まで以上に努力を積み重ねていきます。
笑顔でシーズンを終える自分を信じて。

最近の出来事
スパイクが充実しすぎている。

#10 吉田圭吾

2017年1月6日金曜日

理念

最近思うこと
全く考えがまとまらなかったので、今回の僕のブログは一橋大学ア式蹴球部の理念を覚える機会に使ってください。現状理念を暗唱できるア式の人間は少ないと思います。外部の人と接する中で、他の組織に比べてもうちの理念はよくできていると気付きました。なぜなら、一部昇格、関東昇格を「一橋らしさ」をもって達成するための必要条件がもれなく記されているからです。理念の一文一文を噛みしめ、自分なりに解釈してみてください。理念にある意識を共有できれば、全員が幸せな一部昇格に近づけると思います。
・私たち一橋大学ア式蹴球部は、全ての試合において「グッドゲーム」を追求していく中で、この部に関わる全ての人々に「勝利と感動」を与えていくことを目指します。
 ・私たちは、全力でサッカーができる環境に感謝し、挑戦を忘れず、常にベストを尽くしながら、当事者意識をもってこのチームを強くしていく選手を目指します。
・私たちは、良い結果は良い関係性から生まれるという価値観のもと、部員全員の信頼関係を基盤に、サッカーを楽しみながら常に成長し続けられる組織を目指します。

最近の出来事
このブログにたどり着くまでに実は2週間かかった。

一部昇格は一年にしてならず



今年一年の取り組みももちろん重要だけれど、もし今年一部昇格できたとして、それは僕たちだけの力では決してない。
一橋ア式蹴球部は、先輩方が一つ一つ丁寧に、大事に築き上げてきた組織。より良い組織にして次の代へ、そういった想いがたくさんつまった、愛情に溢れた組織だということを忘れてはいけない。
金さんの、小泉さんの、この部にかける想いを見てきた。2人に共通していたのは、常に未来を見据えていたこと。「一橋がいつか関東に昇格するチームになれるように」いつもそう本気で考えてチームづくりをしていた。
小泉さんは、チームをなんとか2部に残留させてくれた。当時の戦力と周りのレベルを考えたら、本当にギリギリの戦いだった。そんな中でも、僕をはじめ多くの1年生に早い段階から経験を積ませてくれた。まだまだリーグ戦に出場できるようなレベルにはなかったのに。
あんなにも苦しいシーズンの中で、一人で色々なものを抱え込まさせてしまっていたはずだった。それなのに、決して辛い表情を見せず、いつも笑顔を絶やさなかった。一言の弱音も吐かなかった。一瞬の隙も見せなかった。リーダーとしての覚悟と、ア式の人間としての振る舞いをそこに見た。
金さんは、一部昇格が手に届くところにあるということを教えてくれた。秋季の一体感は忘れられない。ゴールをした瞬間、歓声とともに、部員一人一人の笑顔が頭にばっと浮かんでくるような、そんな感覚に襲われた。あれほどまでに、このチームにいられて幸せだと思える日々はなかった。そう思わせてくれる愛のあるチームを、時には3会場をハシゴしながら、誰よりもハードワークして築いてくれた。
球際、切り替え、運動量。どこにも負けない応援と、そして何よりも気持ち、これさえあればどんなチームを相手にしても戦える、そう先頭に立って示してくれた。
金さん、小泉さんに限らない。引退していった数々の先輩方が、チームに何かを残そうとし、たしかに何かを残していった。
きっと1921年から、そんなことが繰り返されて、今のア式がある。
36年ぶりの一部昇格は、僕たちだけの夢じゃない。
そして、先輩方が築いてくださった土台の上に立てば、おそらくもう一部昇格は手の届く高さにあって、掴むか掴まないかは僕たち次第、そんな高さにまでもう来ているのではないだろうか。
先輩の想いを受け継いでプレーする、それはこの部に育てられ、3回目のリーグ戦を迎えた僕の使命。背負うものも、考えなければいけないことも増えた。
だけど、いま蓮さんがいたら、「そんなん気にせず楽しめよ」って笑い飛ばされるような気がする。
だから、僕は全力で楽しんでプレーする。
ただ、あんまりふざけていると、竹本さんに、「圭吾もっとしっかりやれ!」って喝を入れられてしまう気もするので、責任あるプレーももちろん忘れません。

最高の瞬間を、最高の仲間と共に。今年こそ、その年だと本気で思う。先輩方が残していったア式は、強くなっているから。
あわよくば、一部昇格を決めるゴールを、僕が決めたい。36年分の美味しいとこ取りになってしまうけれど、許してください。
そんなイメージをもちながら日々を過ごす最近は、楽しくてたまりません。

最近の出来事
・友達がプロの履くようなスパイクを安く譲ってくれることになって嬉しいけれど、恥ずかしくて履ける気がしない。
・ブログを書きながら5年生ロスに陥った。

足りないもの

僕がかつて「こいつには敵わない」と思った選手の話。
彼は誰がどう見てもサッカーが下手だった。自分が下手だと自覚し、自信など全く持っていなかった彼はいつも申し訳なさそうな顔をしてプレーしていた。彼のポジションはSB。ヘディングとロングキックが得意、というよりそれしかできなかった。つなごうとするとボール扱いが下手なことがばれ、よく取りどころにされていた。1試合でどれだけボールロストしていただろう。裏もぽんぽんとられていた。なんといっても1対1が弱いことが最大の弱点。反応が致命的に遅いことが原因だった。相手に仕掛けられて対応できず無様にこける姿を何度も見た。
だけど、僕は彼のプレーが大好きだった。
ファーストの時、彼は必ず「OK!!!」と人一倍大きな声を出した。サイド際の1対1、反応が遅い彼は相手の最初の一歩にどうしてもついていけない。相手は悠々と縦に抜けてクロスを試みる。だが彼は諦めない。必死に相手に食らいつき、目一杯足を伸ばし、時には決死のスライディングでクロスを阻止しにいった。相手のシュートチャンス、文字通り身体を投げ出し止めに行く。腹、顔、どこでもいい。そこに恐れは感じられない。まさに捨て身のシュートブロック。低弾道のクロスに頭から飛びこむこともあれば、倒れながら頭でボールをかき出すこともあった。よく滑り、よく転ぶ彼のユニフォームはいつも一番汚れていた。
そんな彼のプレーに僕の魂はいつも震わされていた。彼のミスならいくらでもカバーしに走った。好きというより嫉妬の方が近いかもしれない。僕に彼のプレーはできない、つくづくそう思わされた。恐れも変なプライドも一切なく、ただただ必死でがむしゃら。技術もへったくれもないと身一つで相手にぶつかっていく。彼のプレーを見ていると、「お前は足下が上手いだけ」と言われているような気がしてならなかった。
ファーストで大きな声を出すのも、シュートへ身を投げ出すのも、言ってしまえば誰にだってできること。けれど不器用な彼はその「誰にだってできること」にすべてをかけた。それしかないと言わんばかりに。下手の下手なりの悪あがき。その姿が最高にかっこ悪く、かっこよかった。
今、大学サッカーというカテゴリーの中では、僕は彼と同じ下手くそ。僕に足りないもの。向き合ってきたつもりだった。でも未だに「お前は球際に行かない」なんて言われるってことはそういうこと。本当に悔しいけれど。まだまだ理想からはほど遠い。
誰よりも泥臭く、汗臭く、かっこ悪い。「こいつには敵わない」と思わせる選手になるために。自分の弱さと向き合う一年にしたいと思う。

最近の出来事
お前はもとから汚いし、汗臭いよって各方面から聞こえてきそう。
さいきウェルカム。
横田さんおめでとうございます!