2020年12月25日金曜日

「怪我を経て」

 1.名徳からの質問の解答

春は櫛田の汗。少し暖かく、ほんのり汗ばみたる。夏は雨の嘔吐。試合の頃はさらなり、練習もなお、暑さでピッチを転がり回りたる。秋は櫛田の汗。少し涼しく、ほんのり汗ばみたるはいとをかし。


2.「怪我を経て」


 今年度の主将を務めさせていただいた西山拓実です。


   まずは、OB・OGの皆様、保護者の方々をはじめ、現役の活動を見守ってくださった全ての方々にお礼を申し上げます。特に今年度はイレギュラーなシーズンではありましたが、皆様のご理解とご協力があったからこそ、最後までやり抜くことができました。ありがとうございました。


 正直なにを書こうかめちゃくちゃ悩んでいる。でも、こうやって何を伝えようか考えるのが、練習の締めでの円陣を思い出すようで、もう既に少し懐かしかったり。このア式でかけがえのない4年間を駆け抜けることができたことは幸せだったなとつくづく感じる。


 せっかく頂いた最後のブログという機会なので、ア式という組織の一部員として経験したこと、特に二度の怪我を通じて学んだことを、少しでも来年以降のア式に伝えられたらなと思う。


 振り返ってみると、自分の人生は人からの評価、つまり他者との比較を気にすることが多かった。中学校時代は、所属していたクラブチームで同じ学年では活躍できていたものの、上の学年の試合で何もできない自分への評価が怖くなり、衝動的に辞めた。高校でも、選手権で夏前に負けた時にOBや関係者からどう思われるかを気にして、過去の戦績を遡れるだけ遡り、同じような結果を見つけては気休めに使った。今思ってもそこに「意志」だとか「目標」だとかはなかったなと思う。


 でもそんな自分を変えたかった。変えたくてア式に入った。そして主将をやらせてもらった。「学生主体」の下、伸び伸びと自分のプレーをしてア式を勝たせられる選手になろうと。


 けれど、現実はそんなに甘くない。人はそんなに簡単には変われないし、そんな中でも時は無情にも過ぎ去っていく。




 去年の8月、膝の怪我をした。全治8ヶ月。チームのために闘えないことが悔しかったのと同時に、来たる自分たちの代で主将としてどうチームをまとめられるかに深く悩まされた。というか不安に襲われて、何度も逃げ出したくなっていた。


 そうはいってもサッカーができないなりに、チームへの貢献を考えて行動した。ア式でいる時間が楽しかったし、本気で一部昇格を達成したかった。そんな想いに沿って走り続けようとしたけど、どこか物足りないような、居心地の悪いような、そんなことを感じていた。自分が知らない自分のようで。周りからの見え方を気にするあまり、いわゆる「主将」としてあるべき姿を演じようとしていたのかもしれない。そしてその「主将」像と現実の自分との乖離に頭を悩ませ、チームメイトを率いる立場として相応しいのか考え込んだ。そんな2020年の上半期。


 今年の7月、また膝の怪我をした。当初は怪我の原因がわからず、1ヶ月間ボールを蹴れない不安の中で、プレイヤーとしての復帰を諦めたときもあった。一時はスタッフに転向しようとも本気で考えていた。今の自分がチームに与えられるものはなんだ、おれってこのチームの中で何ができる存在なんだ、と考え続けた。


 でも、そんなことを考えてるうちに光が見えた気がした。自分の長所を出し切って、できることを全力でやる。笑顔を絶やさず、チームを鼓舞し続ける。変に背伸びせず、等身大の自分を表現すれば、「自分」という存在が、チームに対して自然とプラスに作用するんじゃないか。こんなような考えに至った。実際、自分の性格(馬鹿にされるほぼ全ての言動は計算しつくされたボケなのだが)をさらけ出して、一人一人の部員とフランクにコミュニケーションを図るようになってから気持ちが楽になった。その結果、部員が考えていることに純粋に向き合うことができるようになり、みんなの目線に立ってチームを引っ張ることができるようになったように感じている。皮肉にも自分をどん底に陥れた怪我に助けられるとは。




 ここからは来年のア式に向けて。


 組織に属する上で、主将はこうある「べき」とか、4年生はこうある「べき」とか、Aの選手はこうある「べき」とか、なかなかAに上がれないとか、ピッチで自分を表現しきれないとか人からの評価みたいなものが気になることもあると思う。けど、どんな時でもまずベクトルは徹底的に自分自身に向ける。自分の強み、弱みは何か。究極を言えば、自分にしかできないことは何か。

 この一年間、4年として、主将としてみんなと話していたから分かるが、このア式の人間はそれぞれが個性的で、性格でもプレーでも人に負けない長所が必ずある。だから人からの評価や期待を気にしすぎる前に、まずは変化を恐れずに自分なりのアクションを磨くこと。自分自身というある種絶対的な評価軸で自分を見れて初めて、他者という相対的な評価軸が出てくると思っている。


 「勝利から逆算した自分なりのアクション」をとり続ける。一番シンプルな答えにたどり着いたわけだが、結局シンプルが一番大事みたいなところはある。それこそ、みんながこのシンプルなアクションを実践できたら、「学生主体」を前面に押し出した盤石な組織になるだろう。



 もちろん、それぞれの立場で苦しいとき、辛いときは間違いなくある。自分には何ができるか、どういう存在なのか、悩むこともあると思う。そういう状況で原動力になるのは、やっぱりア式への愛着と、ア式で成し遂げたいことへの執着だと思う。実際に、二度の怪我とリハビリを乗り越えるにあたって、そして主将を務めるにあたって、自分はこの二つの感情に何度も救われてきた。

 前者に関しては、修也くんや玉水さんが昔言ってたように、ア式という組織に費やした労力と時間によって決まると思う。この点で、今年はコロナ下での活動やAB分け、理念作りなど、いろいろな場面でみんなにア式について考えてもらうことが多かった。こうして全員が時間と労力を割いて、自分たちの組織について主体的に考え、意見を交換することで、ア式への愛着は高まると思う。そして、そこで芽生えた信頼や帰属意識は、間違いなく苦しいときに踏ん張る原動力になる。

 そして後者について。いつも言ってることだけど、ア式での活動を通じて自分が成し遂げたいこと、なりたい自分を明確に持ってほしい。人間はゴールがないと絶対に自分を奮い立たせられない。もちろんチームとしての目標はあるけど、それに向かっていくために、もっと小さなステップに細分化して自分に合わせたゴールを設定することが、継続的な努力を生むために必要なことだと思う。

   こうした原動力に後押しされた自分なりのアクションが掛け合わされて、チームのゴールを達成するための、一つの大きなベクトルになるんじゃないか。この一年でぼんやりとだが、わかったことだ。


 あくまでも自分の経験を踏まえて感じたことだから、これをみんなに押し付けるつもりはない。ただ、心の片隅に置いておいて、こういう考え方もあるんだなって思ってもらえればなと思う。



 あんな状態で最後の試合にマークを巻いて立てたのは奇跡だと思う。本当にア式にいるみんながいたからこそ。特に同期のみんなには、めちゃくちゃ助けられた。ありがとう。みんなの存在があったから、いつも最終的には頑張る選択肢を選べたし、チームとしてもシーズンを戦い抜くことができたと思う。そして後輩のみんな、4年生を、チームを支えてくれてありがとう。

 みんながいなければできない主将だったと思うし、でもだからこそ仲間の存在の大きさを一番に感じることができました。


 正直言って、一部昇格を成し遂げられなかった以上、今年のチームの取り組みがア式蹴球部にとってポジティブなものだったかどうかは、今現在ではわからない。それでも、今年の取り組みの一部は、確実に来年以降につながっていくと思う。そして、それが受け継がれていく中で将来のア式が昇格を達成し、より強く大きな組織になった時に、自分たちのチームの取り組みがようやく報われるんじゃないかなって、そう思っている。


 だからそのときまで、そしてそれを達成してからも、立場は変われどア式のOBとして、全力で現役の活動を見守っていきたい。


 今まで本当にお世話になりました。そしてありがとうございました。


3.最近の出来事

・何いってるかわかんないって言う感想は受け付けません。


・中村憲剛と同じ言葉使ったけど、これだけは本当に言いたい。パクってない。


・引退生活、お金なくなってギブアップ。



4.健太への質問


いろいろなお取り寄せグルメを頼んでいた中で、いちばんのおすすめと、今後狙っている商品を教えてください。


#5 西山拓実

0 件のコメント:

コメントを投稿