人生は理不尽で残酷だ。
努力は必ず報われるわけではない。
生まれ持った環境や容姿、身体能力は選べない。
不幸は突然身に降りかかる。
あらゆる理不尽を前にして、人はあまりにも無力だ。
けれど、どう生きるか、自身に選択の余地がある限り、それは自由だ。
理不尽を前にして、どのように立ち振舞うかは、自分次第だ。
そう考えると、結局人生というのは、自分はどう生きたいのか、ただそれだけのことでしかない。
そして、この問いに真剣に向き合い、もがき進んだはるか遠くその先で、これまでの道程を振り返った時に、納得がいくのだと思う。
理不尽だからこそ、他人には歩めない、自分だけの道があったのだと。
そして、全てここに繋がっていたのだと。
そう強く信じている。
人生最大の挫折を経験した。
最後まであがき続けたが、力及ばなかった。
悔しくて、苦しくて、申し訳なくて、やりきれなかった。
ひどい虚無感に襲われた。
夜は眠れなくなったし、目と顎は頻繁に痙攣を起こすようになった。
全部投げ出して、どこか遠くに消えてしまいたいと、馬鹿な考えがよぎる瞬間もあった。
生きている実感も湧かないような、そんな空虚な日々の果てに、一つの決断を迫られた。
現役引退か続行か。
一度は引退を決意した。
サッカーに取り組む理由も、情熱も失ってしまっていたから。
100%でやれない人間にもうできることは何もないと思った。
けれど、後輩、同期の言葉に段々と気付かされた。
まだやれること、やらなければならないことが残されている中で、自分は楽な方に流されているだけなのではないかと。
最後までやりきったつもりでいながら、自分は理不尽に打ち負かされているだけなのではないかと。
そして、この問いに行き着いた。
「自分はどう生きたいのか」
私はア式蹴球部のGMとして、この挫折を先頭に立って乗り越えたい。
代として最後まで戦い抜きたい。
共に戦い続けてくれた仲間と、歓喜の瞬間を共にしたい。
関東のチームと戦う機会を後輩に残し、次に繋げたい。
私は一人のサッカー選手として、最後まで成長し続けたい。
ひたむきに、真摯に取り組み続けたい。
高さも速さも強さもないような凡庸な選手でも活躍できると示したい。
そして何よりも、私は一人の人間として、最後には必ず立ち上がる人間でありたい。
どんなに弱くて、情けなくて、落ち込んでも、最後は笑って、前を向ける人間でありたい。
これが私の答えだった。
仲間の顔を見て、自分のこれまでの人生と向き合って、気づくことのできた純粋な気持ちだった。
そして悩み抜いた末に、同期を巻き込んで、代として現役を続行することを決めた。
再開してからの日々はあっという間だった。
関東昇格という夢の続きを後輩に託すための戦いだった。
同期の皆は苦悩することもあったに違いない。
私もそうであったから。自分の心の内に決定的な欠落を認めざるを得なかった。
それでも精一杯取り組んでくれた。本当に感謝してもしきれない。
その姿勢は、必ず後輩の心に何かを刻むことができているはずだ。
ただ、それでも、あの決断が正しかったかは分からない。
後輩の代にかぶってまで残るべきだったのか。
同期を巻き込んで良かったのか。
チームを最優先に考えられていたか。
人の人生を変える権利はあったのか。
決断の時に自信があったとは正直言えない。
それでも、その決断の全ての責任を負うと見得を切った。
それは私にしか背負えない、私が背負うべき責任だと思ったから。
東京都トーナメントで勝ち上がり、関東予選への切符をつかむこと。
それは、そんな見得を切った私の最低限の使命であり、せめてもの償いであると思っている。
そして、その先に見る皆の表情が答えになると思う。
「全員が幸せなシーズンに」
今シーズンに臨む上で立てた、私の誓いである。
将来、誰もがこの一年を振り返った時に幸せだったと思えるような、そんなチーム作りをすることが目標だった。
残念ながら、現状は理想からは程遠い。
もとより、今シーズンにハッピーエンドなど用意されていなかったのかもしれないし、残るのは虚しさだけなのかもしれない。
だが、私はまだ諦めていない。
必ず実現してみせる。
私の愛するア式蹴球部の仲間誰ひとりにも、この一年を悲しい思いで終わらせて欲しくない。
お世話になった先輩、苦しみながらも残ってくれた同期、背中を押してくれた後輩、皆には笑っていて欲しい。
つじつま合わせだってなんだっていい。
その意地を、想いを、ピッチの上で表現したいと思う。
それが私にできる皆への精一杯の恩返しであると思うから。
そして、どうか今シーズンを終えた時に、皆の抱く想いが少しでも明るいものでありますように。
これが今の私のありったけの想いです。
最近の出来事
・2年生は同期。
・セブ島楽しみ。
・LINEのひとこと一生いじらない。
・ブログは最後まで自分のために。
#10 吉田圭吾
0 件のコメント:
コメントを投稿