2017年3月25日土曜日

フィジカル

前回のブログでは、技術、フィジカル、理解、意識の4つの差について書きました。今回は、日ごろフィジカル班として活動する中で考える機会が多かったフィジカルについて思ったことを書こうと思います。
フィジカルと言うと体の強さや筋肉のつき方をイメージすることが多いと思いますが、そこには瞬発力や持久力、アジリティーといったものも含まれていると考えています。Jリーグや海外のプロの試合ではフィジカルの面での明らかな差というものはそれほど感じることはなくむしろ技術や戦術的な差に目が行きます。しかし高校、大学のサッカーの試合ではフィジカルの差がそのまま結果を左右しているなと感じることが多いです。選手権の青森山田対聖和学園を見に行ったのですが、足元の技術では明らかに聖和の選手の方が上手でした。1人で23人なら簡単に剥がせるしDFラインからでも怖がることなくドリブルを仕掛けていました。ただ勝ったのは青森山田でした(5-0)。遠目からでも両チームのフィジカルの差は歴然で、ルーズボールの競り合いなどは殆ど青森山田の選手が勝っていました。フィジカルの差は球際以外の部分にも明らかに出ていて、ロングボールの飛距離やダッシュ力(馬力)、ヘディングなど言ってみればサッカーのスケールにかなりの差がありました。この2校は極端すぎる例かもしれませんが、高校や大学サッカーではフィジカルの部分で各チーム間にかなりばらつきがあり、ある程度同じレベルに立って初めて技術や戦術の勝負になるというのが実感です。アジリティーや紅白戦のビデオを見ていても、各カテゴリーの選手間(全体としてみたとき)でのフィジカル(競り合い、加速、減速、ターンなど)にかなり差があるなと感じます。前回のブログにも書いたように、今から足元の技術をどうこうするのは難しいです。その点、フィジカルの部分は並木さんに質の高いメニューを提供していただいているし、かけた時間にある程度比例して伸びる部分だと思います。
フィジカル面の成長で期待できるのは球際の強さだけではないと思います。瞬発力がつけば今まで足を出されていたところで相手を抜けるようになるかもしれないし、クロスをあげられていたところで足に当たるようになるかもしれません。相手にぶつかられて失うことが多かったボールも踏ん張ってキープできるようになるかもしれないし、ヘディングで相手よりたかい位置でボールをあてることができるようになるかもしれません。勿論、そんな簡単にはいかないし時間はかかると思います。でも、技術的な成長に懸けていないなら、極論すれば理解かフィジカルを伸ばすしか成長の余地はないわけでそこに時間を割くことは無駄にはならないと思っています。
フィジカルを伸ばすとなったときに、外部からの情報や指示(今でいうと週2のウェイトなど)にこだわる必要は全くないと思います。結局、自分の目標に対して必要なトレーニングや動きが実践できていればそこに外部からの強制は全く不要なものです。ただ、そのなかで、何が本当に必要で何が正しいのかを考え見極めるのは絶対に必要だと思います。ヘディングを向上させたいのにあたえられたメニューにあるからと言って上腕二頭筋のトレーニングやラダーをやっても効果は少ないだろうし、目標とするフィジカルの水準に現時点で大きな差があるのに体幹トレーニングだけやっていても強度が足りないでしょう。目標に対してどこの部分を鍛えれば効果的でそのためには何のトレーニングをすればよいのかを理解して実践するのが大切だと思います。
また、何が正しいのかを考えることも非常に重要だと思います。例えば、ドローインにしても、並木さんに修正していただかなければおそらくまだ誤った理論に従ってトレーニングを続けていたのではないでしょうか。せっかく意識高く毎日時間をかけてストレッチしていてももしそれが誤った方法だったりそれ自体にマイナスの効果があったなら、面倒だからとストレッチをしていなかった人の方がパフォーマンスは向上するかもしれません。つまりは中途半端に外部からの情報を鵜呑みにすると、意識高くそれらを実践していてもそれを知らなかったり惰性で行っていなかった人たちより効率が悪くなることが往々にしてあるということです。それは非常にもったいないことだと思います。
フィジカル班として何が必要で何が正しいのかを見誤らないようにもっと勉強したいと思います。



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