2019年10月4日金曜日

「繋ぎ止めてくれたもの」

「繋ぎ止めてくれたもの」


2016年の4月、ア式に入った僕は不安でいっぱいでした。
その不安は、サッカーのことではなく同期や先輩含めた、「ア式」という組織に対して。


まず気づいたことは、同期にまともそうな人がいないこと。手の動きと声が物凄く変なキモいやつとか、どっからどう見てもサッカー上手く見えないのに上手いと言い張るクソ芋インキャとか、ぽかんとした見た目なのに神童と呼ばれるやつとか、とにかく変なやつばっか。
先輩も先輩で変な話ばっかしてる。この部のコミュニケーションは下ネタしか無いのかと思いました。「この部活やばいかもしれん」っていう話を下地にしたのを今でも覚えています。

少し部員のことを分かってきて、今度は同期に人をいじるような人がいないことに気づきました。中高でいじられることしかされてこなかった自分にとっては大問題です。更に同期には、前髪が2センチぐらいしかないホームベース顔のやつとか、帰国子女ですぐジャパニーズに失望するアメリカかぶれとか、顔のでかさだけで6年間生きてきた自分と比べてどう考えてもコンテンツに溢れたやつばっかで、自分に活路はあるのかと余計不安に駆られました。


ただ、その不安は杞憂だったとすぐに気づきました。先輩含め変な人ばっかであることは変わりませんが、みんな良いやつであることが分かりました。

手の動きと声が変なやつは練習で手を抜かずたくさん努力するタイプだったし、どう見てもサッカー上手くないやつは本人が言う通りめちゃくちゃ上手くて、こっちがちょっと引いちゃうぐらいのサッカー馬鹿でした。
みんな知れば知るほど好きになれる人だったし、心から信頼できる人でした。日に日にこの部は居心地が良い場所になり、僕はア式が大好きになりました。



少し経って1年の時の3月。僕は一度、ア式を辞める決断をしました。理由は長期の留学に行くことになったから。色々あって親と話してそういう決断に落ち着きました。2年の夏に短期留学に行ったのは、長期の留学の準備のためでした。(あの時は迷惑かけてごめんなさい)

ただ、結局はこの部に留まることになりました。理由の一つは短期行って自分に合わないと気づいたことだけど、一番大きな理由はア式のみんなの存在でした。

僕の代は1年生の時に何人もの人が辞めてしまっています。彼らが辞めていき、部員との関わりがほとんどなくなってしまう姿を見てきて、いざ辞めるという決断をすると、やっぱり自分はそうはなってしまいたくないと思うようになりました。同期・先輩となんとなく気まずくなってしまうのは嫌だったし、どこよりも居心地が良い場所を失ってしまうのが嫌でした。

同期含め誰にも話をしていなかったので、誰かに引き止められたわけではありませんが、僕をア式に繋ぎ止めてくれたのは、紛れもなくア式の人たちの存在です。


あの時辞めなくて本当に良かった。色んなことがあった濃い4年間を経て、誰より信頼できる仲間を得ることができました。イベントのキックベースでの普勝さんとか、右田が酔って千円配り出したこととか、中西がカツオ食べて「蟹うめぇ〜」って言ったこととか、大人になって集まった時に話しても笑えるような思い出もたくさんできました。
自分が勝手に思いとどまっただけですが、みんなには本当に感謝しています。



ア式は素晴らしい組織です。4年間過ごしてきて、サッカーが少し嫌になってしまう時期はあったし、誰かに腹が立つことはあったけど、ア式が嫌になってしまうことはありませんでした。僕は、サッカーをやっている人はみんな良いやつだと思っているので、もしかしたら他のサッカー部もそうなのかもしれませんが、うちほど仲間に恵まれる部はないと思っています。これは間違いなく、ア式の武器の一つになり得ます。毎日一緒にいすぎてついつい忘れてしまうこともありますが、辛い時ほど仲間は支えになるはずです。ありきたりな言葉になってはしまいますが、後輩には仲間を大事に、時々その存在の大きさを思い出しながら残りの年月を過ごしてい欲しいなと思います。



今年になり新チームになるに当たって行った4年のミーティングで、「一体感」について考えたことがありました。そこでは、ただ仲が良いだけでは一体感があるとは言えない、全員で共通の目標を持ち、それに向かっていくことが一体感だ、という結論になりました。合宿のミーティングで「良いチームの条件」について話した時に同じようなことを挙げていた人も多いと思います。

今年のチームを振り返ってみると、そこを徹底しきれていなかったことがあったと思います。4年として呼びかけられること、出来ることはもっとあったと思うし、中途半端になってしまう部分があったことは、少し悔いが残ります。


いよいよラスト2週間になりました。この2週間の練習、TM、国公立戦、そしてリーグ戦2試合は今年の集大成です。2019年度一橋大学ア式蹴球部の真価が問われる2週間になると思います。まだ一部昇格の可能性が無くなったわけではありません。最後笑って終われるように、全員で同じ方向向いて戦っていきましょう。

そして皆さん、13日ぶち上げましょう。



最近の出来事
・内定式なんかで友達ができるわけなかった。
・引退の時プレゼント貰えるのであれば、小顔ローラー以外にしてください。お願いします。
・今年もAirPodsあみだしたいです。


#11 斎藤五樹

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