2018年9月25日火曜日

「一橋大学ア式蹴球部の可能性 Part3」


ノブレスオブリージュという言葉を聞いた事はありますか?
直訳すると「高貴さは義務を強制する」という意味です。もう少し詳しく言えば、「身分の高い者はそれに応じて果たさなければならない社会的責任、義務がある」という意味だそうです。僕が高校生の頃ある先生から聞いた言葉です。

おそらくこの一橋のサッカー部に所属している部員の殆どが、一般的に見ればしっかりとしたお家に生まれ、各地域で名の通った進学校を卒業した後、一橋大学という一流大学で学生生活を送っている真っ最中。そして、卒業した後は一流企業に就職したり、弁護士になったり会計士になったり、日本を動かす原動力になる(と言われています)。
この自分たちの置かれている状況こそが「高貴さ」だと思って下さい。

そしてその高貴さの中にこそ、自分たちの、あるいは自分の果たすべき義務があると意識した事はありますか?
正直あまり無いと思います。でもおそらく僕たちは、世間一般から高貴さの中でこそ果たせられる義務(=使命)を果たす事を期待されています。

例えば僕たちの通う一橋大学は、その義務を「Captains of Industry」という言葉で表現しています。主にビジネスの世界でリーダーとなる存在を養成する、一橋大学だからこそ掲げられる言葉です。入学試験も、色々な講義も、ゼミも、留学制度や就活支援も全てが「Captains of Industry」を養成するために考えられているはずです。この言葉を掲げ始めたのは意外に最近の事らしいですが、東京商科大学と呼ばれていた頃からこの大学の義務は多分変わっていないはずです。

僕たちの所属するア式蹴球部はどうでしょうか。まず第一にア式は「高貴な存在」なのでしょうか。少なくとも、「大学の運動部」という枠の中で考えると僕は高貴な存在であると思います。が、その大部分は今のところ「一橋大学の体育会であること」に依るのではないでしょうか。知らない人に一橋のサッカー部である事を伝えると、大体の人が部としての取り組みだとか強さではなく、偏差値の高い大学の運動部だという事に感心してくれますよね。

さて、今ア式は部の理念を見直し、これから先ずっと掲げていく「ミッション」を定めようとしています。「ミッション」はこれから先ア式が行う活動全ての根本にあるべきものであり、入部した全員で目指すべき、果たすべき使命です。
と、ノブレスオブリージュという言葉から始まったここまでの流れを意識すれば、ア式は100年の歴史を持った高貴な「一橋の体育会」であり、社会に対して様々な責任と義務を持った部活であるという事になりますが、僕は全部員にその責任を背負って義務を果たして欲しいとかそういう事を思っている訳では決してありません。

認識して欲しいのは「義務」ではなく「可能性」です。
間違いなく一橋ア式蹴球部という部が置かれている環境には、おそらく他の大学の運動部よりも多くの可能性が広がっています。
その中には東大のサッカー部や早稲田のサッカー部、あるいは一橋のラクロス部には広がっていない可能性もきっと有ります。(当然逆もまた然りです。)
その自分たちに広がる可能性を強く認識して下さい。そもそもノブレスオブリージュという言葉があるのも、間違いなく高貴さが様々な事を可能にするからこそ生まれた言葉だと思います。

一橋のサッカー部がどこよりも強くなって、全国のサッカーエリートが一橋を目指して猛勉強するようになる。「勉強かサッカーか」が意味ない議論になる。
一橋のサッカー部がどこよりも主体的で革新的な部活になって、部のOBの誰もが社会に出てからも活躍する。体育会学生の市場価値があがる。
一橋のサッカー部がどこよりも地域と密着した部活になって、試合の日には500人の国立市民が応援に駆けつける。大学スポーツの常識が変わる。

これらは全て一橋ア式蹴球部が持つ可能性の一部だと思います。今は全部途方もない夢のまた夢のような話です。でもそれは、今までそんな事をおそらく本気で目指していなかったから。この部活には約100年の間OBOGが汗と涙を流した歴史がありますが、その100年の歴史を貫くような使命は無かったはず。4年間のサイクルでそこに関わった人達が、それぞれに努力した。その結果が今のア式蹴球部です。
だからこそ今僕たちが「ミッション」を決めようとしている事は物凄く意味のある事です。

僕が中高6年間通った愛光学園のミッションは、「深い知性と高い徳性を兼ね備えた世界的教養人を養成し、世界に愛と光を増し加える事」というものでした。(本当はもっと長い文から一部を切り取ったものですが)
僕に自覚は全くもってありませんが、OBはみんなこの母校のミッションに不思議と誇りを抱き、おそらく心の何処かでこのミッションを支えにしています。
ア式もきっとそんな壮大なミッションを掲げられる組織です。壮大なミッションを掲げて欲しいと言っている訳ではありませんが、どんなミッションを掲げようと、全員がそのミッションに向かって自分たちの可能性を追求し続ける組織であって欲しい。その姿こそが、この部に関わる全ての人々を誇らしい気持ちにさせてくれるから。


最近の出来事
この歳で初めての飲食バイトに挑戦出来そうです。
性格悪い部門でも何でもいいから卒アルのアンケートで一位になりたい。

#14 堀本陽太朗

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