2017年10月31日火曜日

早く行きたいなら一人で行け。遠くに行きたいならみんなで行け。

ア式蹴球部 100年構想

- ア式蹴球部が今後、510100年成長し続ける団体であるために -


思考、多様性そして意思決定
ア式で「がむしゃらに頑張る」、というのは「思考の放棄」ではないかな、と考えている。
GMの考える練習、ユニットの存在意義。一つ一つに意味があり、各部員個々人の思考には対象、理由が存在する。大口さんが以前練習に来た時「盲目的に圭吾のいうことを信じるのではなく、疑ったり考えることを怠らないでほしい」と仰ってたがまさにそうだ。ユニットの活動にしても、目的と手段を取り間違えになるのは、この考える、という行為が欠けているからだ。すべての行動、活動に対して「考え抜くこと」が、多様性の大前提であると思っている。

多様性のない組織の成長は遅い。もしくは成長せずに衰退する。これについては、わざわざ一橋の学生に説明するまでもないと思う。
ただ、多様性とは一人一人が異なる考えを持っている状態ではない。その考えをぶつけ合うことだと思っている。閉口した人間の意見は、存在しないものと一緒だ。思考の重要性を上記で述べたが、ここでは「発信の重要性」について述べたい。ユニットでも練習でも試合でも、個々人がしっかりと考えることが根付いたら、今度はその意見が発信し、ぶつかり合うことでチームに熱が生まれる。熱はすべての行動の原動力だ。時に言い争いのような形でも、お互いのことを理解しあえるなら、上面だけ仲良くして肝心なことを何も言わないよりもよほどいいと思っている。城所や岡谷、宗が、あれだけチームに溶け込むのが早かったのも、入部してすぐに先輩たちに対して自分の意見をぶつけていたからだと思っている。

こうして意見がぶつかり合うと、それまでになかった考えが生まれ、全体のアウトプットの質が向上する。ただ、多様な意見をどこかで一つに収束させなきゃいけない。
「全員にとって都合のいい意見には血が通っていない。誰かが責任を取って決断しなきゃいけない」という友人の言葉を使わせてもらいたい。妥協案、折衷案というのは、全体の意見を統合して誰も極端に損をしない、傷つかない意見であり、しかし組織のために最適かどうかは後回しになりがちだということを実感した。10人いれば10人全員が納得できて、チームにも最適なんて意見が毎回出るわけがない。ただ、だからといってなあなあにしてはいけない。そんな状況を打破するためにも、GM、ゲームキャプテンやユニット長という責任ある人間が覚悟をもって決断を下す。
各々が一つ一つのことに対して、真剣に考え向き合う。そして多様な意見をぶつけ合う。様々な意見を統合し、責任と覚悟の上に成り立つ意思決定が増えていく事が今後のア式には必要だと思っている。


部活以上の存在へ
「学生には無理だよ」
この言葉は僕が幾度となく聞いた言葉だ。学生主体を掲げる組織でありながら、すこし難しそうな提案や意見に対しては、学生という言葉を使って否定する。

学生スポーツは転換期にある。早慶サッカー定期戦はついに観客動員数12千人を超えたらしい。スポーツ庁が設立され。日本版NCAAの新設も噂される中、ア式蹴球部は旧態依然とした運営を続けている。極端に言ってしまえば、「サッカーを頑張っていれば自然に応援してくれえる人が増えるだろうから、とりあえずサッカー頑張ろう」という状態だ。ア式の何倍もの予算と実力を兼ね備えた強豪校ですら、応援集めに四苦八苦している状況で、サッカーだけやっていれば自然に応援されるチームになるとは思えない。また、応援されることで新しい収益の柱を構築し、そこから競技力向上に結び付けていくという考え方も必要だと思っている。京都大学アメフト部が法人化した。明治大学や流通経済大学サッカー部はユニフォームスポンサーを獲得した。青山学院大学陸上部や早稲田大学は大手スポーツメーカの支援を受ける環境を整えた。こうした流れは徐々に、しかし確実に広まっている。気づいた時には多くの大学の後塵を拝していました、では済まない。

OBOG保護者関係者の皆様との関わり合いはどうか。地域とのつながりは。筑波大学ではサッカースクールが行われ、天皇杯の応援にはその子供たちが駆け付けたらしい。ア式は大学や地域の人々からどれだけ認知され、どれだけ支持される団体だろうか。小平の人工芝化が一向に進まない理由は何だろうか。同じプレゼン資料を毎年の総会で聞きながら、「またかよ」と笑っているうちに引退を迎えてしまったが、これが来年再来年も続くのだろうか。

大学生は高校生までとは違い、行動の幅が極端に広がる。成人している部員がほとんどの中で、企業や自治体と積極的に新しいことに挑戦していくだけの環境はある。そして大学生が社会人と違うのは、行った行動への責任の重さだ。チームを思っての行動であれば、たとえ失敗したとしても咎められることはない。むしろ、リスクを恐れて停滞し続けることのほうが問題だ。チームとしてサッカーに対する意識はこの4年間で格段に変化した。1部が夢の舞台ではなくなり、練習の強度も格段に向上した。
今度は運営における面で大きな成長につなげていく段階ではないかなと思う。自立した個々人の積極的な試行錯誤を経て成長していく組織こそ、真に学生主体の団体だと考えている。そして、今後の継続的な成長をア式が自立的に達成するには、ユニットを中心とした活動が不可欠なはずだ。


情熱の在処
入部して、挙げればきりがない程の人達から影響を受けた。
ア式の環境が稀有で非常に恵まれた場所だと謹慎期間中に知った。
人工芝だとか、元プロのコーチだとか、そういった外的要因ではなくて、各部員が内側に秘めた情熱こそア式の最大の魅力だ。これ以上の環境はこれまでも、そしてこれからも二度とないと思う。
四年間という長い時間を通して、情熱というものを教わった。情熱との向き合い方を教わった。
一選手として、一個人としての自分との向き合い方が変わった。
食事、体幹、走り、ミーティング、応援。諸々で節々と感じることである。

各々の秘める情熱こそ、何十年変わらず受け継がれてきたもので、そして今後何十年も受け継がれていくべき伝統だ。胸に秘める熱さこそ、ア式がア式である所以であり、現役もOBもそれは変わらない。だからこそ、後輩の熱い試合を見て感化されるOBの方々がいて、ア式の試合を見た人たちが情熱という言葉以以上の何かを感じてくれているのだと思っている。
これだけは、100年後のア式にも引き継がれていて欲しい。



最後に
ア式で、一人では到底辿り着けない場所で多くの景色を見ることができた。
残り四試合、すべて勝利した後の景色はさぞ絶景だろう。
みんなでより遠くまでたどり着きたい。
ア式に関われたことを誇りに思っている。
そして今後100年先も、ア式蹴球部に関わった一人の人間として誇りを持てるようなチームであって欲しいと思う。

OBOG保護者関係者の皆様。
先輩方、後輩のみんな。そして同期。
四年間ありがとうございました。


最近の出来事
今年留年したら来年就活again is 全然ある。
台風、今週はマジで来ないでね。


#9 船越弘晃

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